僕の所へご依頼を頂く2ヶ月ほど前から左肩を動かすと、
「ゴリッ」
と音がして痛みを伴う様になり、自然に痛みが引くと思っていたが、なかなか変化しないと言う相談を受けました。
回旋筋腱板(ローテーターカフ)は上腕骨を肩甲骨側へ引き寄せ、自由度が高いが故に不安定な肩関節を安定させる役割を持つ、<棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋>の4つの筋肉からなる筋群です。
ローテーターカフの緊張が強くなると、上腕骨を肩甲骨側へ引き寄せる力が強くなりすぎ、肩関節の可動域を狭め、痛みを伴うことがあります。
このローテーターカフに加え、隣接する他の筋肉にも緊張が生じることも多く、原因は意外と広範囲に及ぶこともよくあります。
先ずは、全身のバランスを取り、姿勢を改善することで全身の筋肉への過度な負荷を軽減していきます。
その上でローテーターカフを始め肩関節周辺の筋肉を緩めて行くのですが、今回のケースでは特に「前鋸筋」というローテーターカフとは違う筋肉が強く緊張し、圧痛もありました。
前鋸筋は肩甲骨を外側から前方へスライドさせる働きがあるため、緊張が強くなると猫背の要因の一つにもなります。
前方へスライドさせ肩甲骨の動きを制限してしまうので、肩関節の動きにも影響してきます。
前鋸筋を緩めたことで、かなりスムーズに肩関節が動くようになり、痛みも改善しました。